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3月の山はまだまだ冬の顔。木々の芽は固く身を守りながら、来るべき春の訪れを待っている。人間が生命の動きを感じるのは、一頭のキタキツネの心音と呼吸音だけ。でも、このキツネは、雪の下にうごめく野ねずみの気配を察することができる。ヒトよりもずっと深く生命の世界を生きている。