| 00.表紙 エゾユキウサギの足跡
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| 01.キタキツネ 凌雲閣より約15 分(上富良野町)(1・2月)
すべての生きものが凍りついているような絶壁と渓谷のカムイミンタラに、神々の祭り囃子が聞こえるようだ。テケツンテケツン、舞っているのはキタキツネ。雪の下に潜む野ねずみを狙っている懸命な姿なのだが、どこか微笑ましい。神々も豊猟を祈っているだろう。 |
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| 02.エゾシマリス 黒岳七合目付近(3・4月)
厳しい冬が来る前に、地中深くに寝床をつくり、食料庫にはたくさんの木の実を蓄えて冬眠に入った。時々目覚めて空腹を癒しながら春の訪れを待つ。「おや? 今日はずいぶんと暖かいぞ!」寝過ぎたかな? と外へ出てみたら、まだ雪がこんなに……。 |
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| 03.ウスバキチョウ 赤岳駒草平(5・6月)
神々の代からこの地で命を繋いでいる生きている化石。尾状突起を持たない古いタイプのアゲハチョウの仲間。卵のままで越冬し、翌年の初夏になって孵化した幼虫はコマクサを食べて成長しサナギの姿でもう一度越冬する。美しい女神の衣をまとうのは、2 年目の初夏。可憐で美しい舞いをいつまでも見ていたい。 |
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| 04.ノゴマ 黒岳九合目付近(7・8月)
毎年夏になるとヒナを育てに必ずやってくる神々の音楽隊だ。オスは高い場所に陣取り“ キーキョロキョロ” と縄張り宣言に余念がない。喉の下にある真っ赤な模様がまた鮮やかで、山では「日の丸」と呼ばれている。冬は東南アジアにまで出かけるが、いつまでも忘れないで大雪山連峰に帰ってきて欲しい。 |
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| 05.ナキウサギ 黒岳山頂と石室の間(ポン黒岳)(9・10月)
神々のガレ場を守る生きている化石。ガレ場の下で盛んに警戒音を発している。サッと出てきて大きな口を開け、“ チィーッ”、“ ピキーッ” っと鋭い鳴き声を発し、空を切り裂く。秋になると厳しい冬に備えて乾し草作りに忙しい。ウサギの仲間は、ビタミン補充のために盲腸糞を食べるが、ナキウサギは、それも干してから食べる。 |
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| 06.ハシボソガラス 白金模範牧場(美瑛町)(11・12月)
暮れ泥む空を埋め尽くすカラスの群れ。近年、ハシブトガラスに都会を追われたハシボソガラスがなぜ神々の庭に集まったのだろう。彼らの向かう夕焼けの先には何が待っているのだろう。不思議な光景だ。“ ガーガー” と鳴き交わす声が撮影者の耳には、どことなく寂しげに聞こえた。 |
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| 07.撮影マップ
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