| 00.表紙 エゾシマリス
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| 01.エゾオコジョ 十勝岳(1・2月)
体長20 cm 位の小型のイタチだ。冬は真っ白い毛で覆われるが尾の先だけは黒いまま。夏には顎から下腹が白いだけで他は濃茶色に変身する。主食はネズミなどの小動物で、筆者はオコジョがナキウサギを捕らえて走り去るところを目撃した。北海道にはさらに小型で冬に尾も白くなるイイズナが棲息するが、今山岳地帯で観られるのは、本種。以前は平地でも見られたが、ホンドイタチの放獣やミンクの野生化によって山岳地へと追いやられていった。
撮影:大橋 征継 解説:小菅 正夫 |
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| 02.エゾモモンガ 旭岳周辺(3・4月)
北海道の森林に棲むリスの仲間。鳥の巣や樹洞を巣として利用し、夕暮れになると採食に出かける。頬の横から前足、後足、尾の付け根とほぼ四角形に張った皮膜で、木々の間を滑空するが、扁平な尾を舵にして旋回することもできる。ほとんど地面に降りない。木の芽や葉、種子など植物が主食だが、昆虫も食べる。同じリス科のエゾリスやエゾシマリスとは活動時間や活動場所が重ならないようにして棲み分けている。
撮影:大橋 征継 解説:小菅 正夫 |
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| 03.コマドリ 十勝岳周辺(5・6月)
北海道には繁殖のために渡って来る夏鳥。オスは頭から胸にかけて美しい橙色、鳴き声が「ヒンカラカラ」と馬のいななきのように聞こえるため、駒鳥と名付けられた由。山岳地帯の針葉樹林や混交林で昆虫を食べながら崖の下などで営巣する。学名のakahige は屋久島〜奄美大島に生息する別種アカヒゲと学名を取り違えられたためで、アカヒゲにはE.komadori と付けられている。
撮影:野村 真輝 解説:小菅 正夫 |
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| 04.エゾナキウサギ 黒岳山頂と石室の間(ポン黒岳)(7・8月)
カムイミンタラを代表する“ 生きている化石”。カラマツの苗木を食害する「ゴンボネズミ」として一部の人には知られていたが、1928 年に置戸で始めて捕獲され1930 年に論文記載された。甲高い特徴ある鳴き声で、その存在は隠しようもないが、山奥のガレ場で岩に腰掛けてナキウサギが岩間から顔を出すのを待っている暇人はいなかったのだろう。ウサギなので草や葉、茎などを食べている。秋には越冬用の乾し草作りに精を出し、冬眠せずに活動する。
撮影:今津 秀邦 解説:小菅 正夫 |
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| 05.エゾシマリス 黒岳山頂と石室の間(ポン黒岳)(9・10月)
ナキウサギとは似たような大きさだが、こちらはモモンガと同じリスの仲間。長いフサフサとした尾と背中にある5 本の黒い縞模様が特徴。木の実や果物、花などの他に昆虫や小鳥の卵も食べる。秋になると頬袋一杯にドングリなどの木の実を詰め込み、土の中につくった巣の中に運び込み、冬はそこで冬眠する。カムイミンタラでは、山頂のハイマツ帯でよく見かけ、訪れる人の人気を独り占め。
撮影:今津 秀邦 解説:小菅 正夫 |
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| 06.エゾクロテン 十勝岳周辺(11・12月)
北海道に棲む体長50 cm ほどのイタチの仲間。アイヌ語で「カスペキラ」は、しゃもじを持って逃げるの意、人を恐れず家の中にまで入ってきて悪さをしたり、屋根裏で繁殖していたこともある。毛皮が重宝されたため、乱獲されて個体数が減少したが、1920 年以来、狩猟禁止となっている。動物ばかりか昆虫やブドウ、コクワといった果実も食べる雑食性。道南にはホンドテンが持ち込まれたが、カムイミンタラまでは到達しないことを祈る。
撮影:南 尚貴 解説:小菅 正夫 |
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| 08.撮影マップ
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