| 00.表紙 トムラウシ山秋景
9月中旬訪れたときは所々緑色としていた葉も、下旬になり一気に赤味を増す。私は高根ヶ原の紅葉が気にかかり白雲岳避難小屋を出る。 途中、登山道沿いのナナカマドが紅葉の盛りを迎え、小泉岳の稜線から登る太陽の光を受け輝く。背後には雲海を棚引かせトムラウシ山が横たわり、まさに一幅の絵を見る思いである。 |
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| 01.雲煙が舞う上ホロカメットク山 (1・2月)
早朝、十勝岳温泉を発ち一段岩に向う。雪吹が続き降雪量が多く最後の急な登りではスキーが埋まり雪を漕ぐように登る。 岩上は風が強く何度も三脚を倒され、冷風を顔面に受け時おり意識が朦朧とする。それだけに、烈風が雪を舞い上げる光景は素晴らしく冬山の厳しさを表現している。撮影後もどると顔が凍傷し黒く腫れていたのはこの時である。
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| 02.エゾノリュウキンカが咲くユウトムラウシ川源頭(3・4月)
十勝岳からの縦走途中、深いガスと残雪でコースを失ないやむなく幕営する羽目になった。 翌朝、目が覚めると昨日までの苦闘がうそのように晴れ上がる。さっそく朝食を済せ散策にでる。黄金ケ原の崖に張り付いた雪渓が解け、雪ひろがつくる流れに沿ってエゾノリュウキンカが咲き、まるで桃源郷を歩く気分になる。
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| 03.花の楽園 トムラウシ山(5・6月)
トムラウシ山周辺の北沼を経て南沼キャンプ場に向う。ここまで来ると、疲れがピークに達しザックの重さに気をとられ景観を味わう余裕がない。 しかし岩組の間には、雪渓を配した池塘が点在し、その周辺をエゾコザクラ、ミヤマキンバイなどが咲き乱れこの世の楽園を思わせる。時おり霧が流れるとその風情が一層味わい深いものになる。
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| 04.十勝連峰の幕開け(7・8月)
トムラウシ山南沼を発ち三川台に向う。一週間前通ったときは、崖全体が雪田で覆われていたが、3・4月の好天で急激に雪解けが進み、大きなクレパスが顔を覗かせている。 私はこの時期の迫力ある大雪山も好きである。雪田のまわりにはエゾノハクサンイチゲ、チングルマなどが足の踏み場もないほど咲き、夏の到来を力強く告げ知らせているからだ。
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| 05.秋色の高原温泉(9・10月)
大雪山の秋を最もドラマチックに演出しているのが、高根ヶ原から俯瞰する高原温泉である。 点在する多数の池塘がコバルトブルーに輝き、その周辺をダケカンバ、ミネカエデが金色に、ナナカマドが紅く、そしてハイマツ、エゾマツ、トドマツが濃青緑色に縁どる。この配色は絶妙で、まさに日本の紅葉を代表する景観である。
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| 06.原生林冬景(11・12月)
冬の大雪山を強く印象づけるのが針葉樹林帯である。私はこの景観が好きでよく十勝岳温泉を訪ねる。 何日間も吹雪の日が続き、樹身に氷雲の衣をまとい凛として佇む姿ほど力強いものはない。私は時おり気弱になることがある。そんな時、この樹々の前に立つと、まだまだ頑張れるヨ!という励ましの声が聞こえてくるような気がするのだ。
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| 07.撮影マップ
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