私が十勝岳に入る時よく利用するのは、安政火口より上ホロカメットク山と大砲岩のコルを直登し上ホロ避難小屋に至るコースである。 この小屋は撮影行でよく利用するのだが、この年雪解けが早く稜線から小屋一帯にかけてキバナシャクナゲが山肌を覆い信じ難いほどである。長い間ここに通っているがこれ程の規模ははじめてであり、この新たな発見に気持が高ぶる。 翌日、上ホロ、十勝岳山頂へと足を延ばす。山肌を残雪が幾重にも走り、新緑が雪にはえ清々しい初夏の佇まいを見せている。この季節の大雪はおおらかで北の大地の豊かさの象徴に思えた。
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