冬、凍てつく寒さに耐えて立つ孤独な木々。この姿ほど感動的で美しく心に響くものはないと思う。 私がこの木々の撮影でよく宿泊するのが吹上温泉(上富良野町)である。ここでは時おり素晴らしい出会いに恵まれ、人との触れ合いの大切さを肌で感じることもある。 さて、私の仕事の大半は、自分のイメージ通りの自然条件を求め山中での孤独な生活に耐え待つことである。人間は孤独に徹すると、人間にとって何が最も大切であるかその本質がはじめて見え、人に対して真にやさしくなれる。 この木々の前に立つと、その当り前のことをそっと教えてくれているかのようだ。
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